一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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CFEコラム

「品質不正研修の重要性- ダイハツ事件からの教訓」

2023年12月20日に発表されたダイハツの認証検査不正問題は、その影響が国内全工場に及び、国交省の立ち入り検査まで発展しました。問題は4月と5月に初めて浮上し、再検査により法的な安全基準はクリアしているとの報告があったものの、最新の報告書では新たに64車種、174件もの不正が明らかになりました。その中で特に注目されたのは「実験データの改ざん」であり、数字に責任を持つべきエンジニアがなぜこのような行為に走ったのか、その背景にはどのような問題があったのでしょうか。

この事件を通じて浮き彫りになった一つの重要なテーマは、企業が品質不正を未然に防ぐために従業員に対して品質不正研修を行うことの重要性です。なぜなら、エンジニアが実験データを改ざんするような行為が行われる背景には、十分な品質不正に関する教育や研修が行われていなかった可能性が考えられるからです。

品質不正が発覚した場合、企業の信頼性は大きく損なわれ、経済的損失だけでなく法的な問題も引き起こす可能性があります。従業員が品質不正に手を染める原因は様々ですが、中でも不適切な研修や教育が挙げられます。エンジニアや関連する職種の従業員が適切なトレーニングを受けずに仕事に従事すると、品質基準を理解し、守ることが難しくなります。

品質不正を未然に防ぐためには、企業は継続的かつ徹底的な品質管理の研修を提供する必要があります。従業員が品質に対する責任を理解し、その大切さを認識することで、品質不正の発生を防ぐことができます。ダイハツのような事件が発生した場合でも、企業は速やかに適切な対応をとり、再発防止策を徹底する必要があります。

このような事例から、品質不正研修の重要性が一層クローズアップされる中、企業は品質管理の向上と信頼性の確立のために、従業員に対する研修を強化する必要があるでしょう。品質は企業の信頼性を築く重要な要素であり、その維持には全ての従業員が品質意識を持ち、実践することが欠かせません。

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