一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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キャッシュレス決済端末販売会社「ラカラジャパン」の不正還付事件:浮かび上がる3つの課題

東京国税局査察部の告発により明るみに出た、キャッシュレス決済端末販売会社「ラカラジャパン」の約2400万円の消費税不正還付事件。この事件は、単なる税務違反にとどまらず、企業倫理、内部統制、そしてキャッシュレス決済導入における課題など、様々な問題を浮き彫りにしている。

1. 企業倫理の欠如と内部統制の不備

ラカラジャパンは、商品である電子決済端末の仕入れ台数を2倍以上に水増しし、不正に約2400万円の消費税還付を受けるという、悪質な行為を働きました。これは、企業倫理の欠如と内部統制の不備を露呈するものです。

このような不正行為を未然に防ぐためには、経営層が強い倫理観を持ち、コンプライアンスを徹底することが重要です。また、内部統制を整備し、不正行為が行われる隙を与えない体制を構築する必要があります。

2. 悪意のある行為と経営陣の責任

ラカラジャパンの張健前代表は、自身の利益のために会社を騙し、多額の不正還付を受け取ろうとしたとされています。これは、悪意のある行為であり、経営者として倫理観を欠いた行動と言えます。

経営陣は、会社の資産を管理する責任を負っており、不正行為が行われないよう常に注意を払う必要があります。また、不正行為が発覚した場合には、迅速かつ厳正な対応をとることが求められます。

3. キャッシュレス決済導入における課題

近年、キャッシュレス決済の導入が急速に進んでいます。しかし、今回の事件のように、キャッシュレス決済導入に悪用されるケースも出てきています。

キャッシュレス決済を導入する際には、不正行為のリスクを十分に認識し、適切な対策を講じることが重要です。具体的には、取引内容を記録し、定期的に監査を行うことなどが有効です。

ラカラジャパンの事件は、企業倫理、内部統制、そしてキャッシュレス決済導入における課題を改めて考えさせてくれる事件です。企業はこれらの課題に真摯に向き合い、再発防止策を講じる必要があります。

また、今回の事件は、キャッシュレス決済導入を検討している事業者にとっても、教訓となるものです。導入に際しては、不正行為のリスクを十分に認識し、適切な対策を講じることが重要です。

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