一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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お知らせ

不正受給の深刻さと再発防止の重要性について

横浜市での保育園不正受給事件は、社会福祉法人「くっくあゆみの会」が運営する3つの保育園によるもので、2018年から2022年までに市から約1億7800万円もの給付金を不正に受け取っていたことが明らかになりました。また、瀬谷区の認定こども園「二ツ橋あいりん幼稚園」も同様に、虚偽の申請により460万円余りを不正受給していました。このような不正行為は、市民の信頼を裏切り、公共の福祉資源を損なう重大な問題です。

不正の手口とその影響

「くっくあゆみの会」の保育園では、園長の不在時間を報告せず、職員の勤務時間を調整して給付金の影響を避けるという手口で不正受給を行っていました。この結果、適切な手続きを経て支給されるべき公金が不正に流用され、市の財政に大きな影響を及ぼしました。同様に、「二ツ橋あいりん幼稚園」では、雇用前の職員を勤務していると偽ったり、保育士の家賃負担を全額市が負担していると虚偽申請するなどの不正行為が行われていました。

再発防止への取り組み

このような不正受給を防ぐためには、横浜市の取り組みが重要です。市は、不正を見逃さないために抜き打ちでの立ち入り調査を強化するとともに、申請内容の厳格な審査を行う方針を示しています。また、保育園や認定こども園に対しても、内部統制の強化や倫理教育の徹底が求められます。

社会全体での意識改革

不正受給問題は、一部の悪質な行為者によるものですが、これが全体の信頼を損なう結果を招くことは避けられません。社会福祉法人や学校法人にとって、公共の資金を適切に管理し、利用する責任は極めて重いものです。そのため、経営者や管理者はもちろん、現場の職員に至るまで、公正で透明な運営を心掛ける必要があります。

市民の役割と協力

市民もまた、公共の監視者としての役割を果たすことが求められます。不正の情報提供や疑わしい事例の報告は、不正行為を未然に防ぐ重要な手段です。市民と行政が協力して、不正を根絶し、信頼できる福祉サービスの提供を実現することが求められます。

結論

横浜市の保育園不正受給問題は、公共資金の適正利用の重要性と、不正防止のための厳格な管理体制の必要性を強く示しています。再発防止に向けた取り組みを徹底し、信頼回復を図ることが、今後の課題となります。そして、市民一人ひとりが関心を持ち、協力することで、公正な社会の実現に寄与することができると思います。

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