一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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中国恒大集団のディスクロージャー違反疑惑から学ぶ、企業の不正防止対策

中国の不動産開発大手、中国恒大集団の本土部門である恒大地産集団は、2023年8月16日、ディスクロージャー(情報開示)違反の疑いで中国証券監督管理委員会(証監会)の調査を受けていると発表しました。

この問題は、企業のディスクロージャー違反に対する罰則を強化する中国政府の姿勢を反映したものと言えます。

ディスクロージャー違反のリスク
ディスクロージャーとは、企業が株主や投資家などに対して、財務情報や経営状況などの重要な情報を適切に開示することです。ディスクロージャー違反は、企業の信頼を失い、株価下落や経営悪化につながる可能性があります。また、行政処分や民事訴訟の対象となる可能性もあります。

中国のディスクロージャー規制
中国では、2022年7月に、ディスクロージャー違反に対する罰則を強化する「証券法」の改正が施行されました。改正法では、ディスクロージャー違反により被害を被った投資家が、企業や経営者に対して損害賠償請求をすることができるようになりました。また、ディスクロージャー違反により、企業は最高で100億元(約1600億円)の罰金を科せられる可能性があります。

日本企業の不正防止対策
日本企業においても、近年、ディスクロージャー違反の事例が相次いでいます。日本でも、中国と同様に、ディスクロージャー違反に対する罰則を強化する動きが出てきています。

日本企業は、中国恒大集団のディスクロージャー違反疑惑を契機として、ディスクロージャー違反に対するリスクを認識し、不正防止対策の強化に取り組む必要があります。

具体的な対策のポイント
以下に、ディスクロージャー違反防止対策の具体的なポイントをいくつかご紹介します。

経営トップの不正防止に対する強いリーダーシップ
経営トップが不正防止に対する強いリーダーシップを発揮し、全社に不正防止の重要性を浸透させることが重要です。

内部統制の整備
内部統制を整備し、不正の兆候をいち早く検知できるようにします。内部統制には、財務会計、業務プロセス、情報セキュリティなど、さまざまな分野があります。

コンプライアンス体制の整備
法令や規則を遵守するための体制を整備します。コンプライアンス体制には、教育・研修、内部通報制度、リスク管理など、さまざまな要素があります。

ディスクロージャー規制への理解と対応
ディスクロージャー規制を理解し、適切な開示を行うための体制を整備します。

企業は、これらのポイントを踏まえて、自社の状況に応じたディスクロージャー違反防止対策を講じる必要があると考えます。

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