企業会計不正:トレンドと対策
多くの企業で新年度がスタートし1カ月が経過したことと思います。ここで改めて昨年、2023年度の企業における不正傾向を見ていきたいと思います。本年の不正対策の一助となれば幸いです。
2023年に公表された経営研究調査会研究資料第10号「上場会社等における会計不正の動向」によれば、近年の会計不正の動向を適時にお知らせするため、上場会社およびその関連会社が公表した会計不正を集計し、取りまとめています。
以下は、2023年版の調査結果から得られたいくつかのポイントです。
不正の動向:
会計不正の発生は数字的には微減していますが、企業の危機感は高まっています。
2024年に不正リスクが高まると予想した企業は64%に増加しており、特にサイバー攻撃や情報漏洩への懸念が顕著です。
会計不正の発生についても3割の企業が増加すると予想しています。
経営層の関与:
不正行為に経営層が関与しているケースが多く、調査報告書を開示した企業のうち80%は経営層の関与がありました。
内部通報の減少:
年間6件以上の内部通報があった企業の割合が減少しており、リモートワーク普及による相互監視の困難さが要因とされています。
ACFE JAPANは、不正対策に興味を持っている方々にとって貴重な情報源であり、専門知識を深めるための場所となっています。さらなる詳細や特定のトピックについてお知りになりたいことがあれば、是非当会に入会をご検討ください。