一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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CFEコラム

従業員による不正行為

先日、某デジタルマーケティング会社において、従業員による不正行為が発覚し、特別調査委員会による調査の進捗が発表されました。

主な発覚事項:
・デジタルマーケティング事業本部に所属する営業部員3名が不正な発注を行っていた。
・1人の営業部員は自身の親族が経営する会社に対して高額な発注をしていた。
・別の営業部員も知人が経営する会社に対して同様の発注を行っていた。
・調査により、2019年以降、営業部員らが架空発注や水増発注を行っていたことが判明した。
・不正発注の規模は最大で合計7700万円と推定されている。

防止策の考え方:
1.発注の管理体制の強化: 個別の発注内容を逐一確認するための管理体制を構築し、上司や第三者による承認や監査を導入する。
2.外注先の選定基準の明確化: 外注先の選定に関する基準を定め、透明性と公正性を確保する。親族や個人的なつながりのある企業への発注を制限する。
3.納品物の検収ルールの明確化: コンサルティングなど納品物の確認が困難な場合にも適切な検収ルールを設け、確認プロセスを徹底する。
4.内部統制の強化: 部門間の連携や情報共有を促進し、内部統制の不備を解消する。各部門の業務プロセスにおいて適切な監査やチェックポイントを設ける。
5.倫理とコンプライアンスの教育: 従業員に対して倫理的な行動やコンプライアンスの重要性を啓発し、違反行為への警戒心を高める教育プログラムを実施する。

具体的な対策は企業の状況や課題に応じて適切に検討されるべきかと思いますが、善処いただきたいポイントをまとめてみました。

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