一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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海外子会社における不正発覚事件から学ぶ:企業が取るべき不正対策

株式会社サンリツの海外子会社における不正発覚は、企業がグローバル化を進める上で避けられないリスクの一つとして、改めて注目を集めています。本コラムでは、この事件から企業が学ぶべき教訓と、効果的な不正対策について考えていきます。

事件の概要と問題点

今回の事件では、内部通報がきっかけとなり、数年間にわたる複数の不正行為が発覚しました。不正行為の内容やその全容はまだ明らかになっていませんが、以下のような問題点が考えられます。

内部統制の不備: 内部通報制度は機能していたものの、不正行為が長期間にわたって続いたことから、内部統制に抜け穴があった可能性が指摘されます。

従業員の不正行為: 出向社員による不正行為が発覚しており、従業員の意識改革や教育の必要性が浮き彫りになりました。

海外子会社の管理体制: 海外子会社に対する管理体制が不十分であった可能性も考えられます。

企業が学ぶべき教訓と対策

この事件から、企業は以下のような教訓を学び、不正対策を強化する必要があります。

1. 徹底した内部統制の構築

内部監査の強化: 定期的な内部監査の実施だけでなく、サプライチェーン全体を対象としたリスクアセスメントを行うことが重要です。

内部通報制度の充実: 匿名での通報を可能にするなど、従業員が安心して不正行為を報告できる環境を整える必要があります。

コンプライアンス教育の徹底: 全従業員を対象とした定期的なコンプライアンス教育を実施し、不正行為に対する意識を高めることが求められます。

2. 海外子会社に対する管理体制の強化

現地法人のガバナンス強化: 現地法人に強いガバナンス体制を構築し、本社との連携を強化する必要があります。

リスクマネジメント体制の構築: 各国の法規制や文化の違いを考慮したリスクマネジメント体制を構築することが重要です。

監査体制の強化: 海外子会社に対する監査体制を強化し、不正行為を早期に発見できるようにする必要があります。

3. 従業員の意識改革

倫理意識の向上: 企業倫理に関する教育を強化し、従業員の倫理意識を高める必要があります。

不正行為への対処: 不正行為が発覚した場合には、厳正に対処するとともに、再発防止策を講じる必要があります。

まとめ

今回の事件は、企業がグローバル化を進める上で、不正リスクに対する対策がいかに重要であるかを示しています。企業は、内部統制の強化、海外子会社に対する管理体制の強化、従業員の意識改革など、多角的な視点から不正対策に取り組む必要があります。

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