一般社団法人 日本公認不正検査士協会

ACFE JAPAN

CFEコラム

物価高対策の影で高まる「不正リスク」──今こそ企業と行政に求められる内部統制

2025年7月、参議院選挙が終わり、政府の物価高対策に注目が集まっています。原材料費やエネルギーコストの上昇、円安の長期化により、国民生活への影響は深刻さを増す一方です。このような経済環境下で見過ごされがちなのが、**「不正の温床」**となりやすい状況が同時に進行しているという事実です。

物価高は、企業や行政機関に「予算不足」「業績悪化」「目標未達成」などのプレッシャーを与え、従業員や取引先が不正行為に手を染める動機になり得ます。たとえば、以下のようなリスクが懸念されます。

補助金や価格転嫁支援金などの制度を悪用した申請不正

コスト削減のために行われる架空取引や品質偽装

人手不足・コスト抑制による内部監査・監視体制の弱体化

これらの行為は、企業の信頼を失墜させるばかりか、行政への信頼や納税者の理解を損ねる要因にもなります。

今こそ、企業や公共機関には「物価高対策」と並行して、不正リスクの予防と検知体制を強化することが不可欠です。そのためには、単なるコンプライアンス遵守にとどまらず、「倫理観に基づいた行動基準の浸透」「内部通報制度の実効性」「不正兆候の早期把握」などの取り組みが求められます。

私たち一般社団法人日本公認不正検査士協会(ACFE JAPAN)は、こうした社会的課題に対し、公認不正検査士(CFE)の専門知識と実務経験を活かし、企業・自治体・教育機関など多様な組織への支援を行っています。

物価高という時代の波を乗り越えるためには、「経済的支援」と「倫理的支柱」の両輪が不可欠です。今後も私たちは、社会全体がより健全で透明性の高い方向へと進むための一助となれるよう、活動を続けてまいります。

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