一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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CFEコラム

紅麹サプリ事件から考える食品安全と品質管理

紅麹サプリ事件とは?

紅麹サプリ事件は、2024年3月22日に発覚した、日本の製薬会社である小林製薬が製造した紅麹を原料とするサプリメントが原因と疑われる死者5名を含む健康被害を多数出した事件です。この事件は、機能性表示食品として国に届け出られた「紅麹コレステヘルプ」などの製品を摂取した消費者によるもので、入院者数は240人以上、相談件数は延べ94,000件に上りました。

影響範囲と対応

この事件は、小林製薬の紅麹原料を使った製品が販売されていた台湾にも拡大し、急性腎不全などの健康被害が報告されました。厚生労働省は、健康被害が確認された人が摂取していた製品を製造したロットで有害な物質と考えられる「未知の物質」がプベルル酸である可能性を報告していますが、腎疾患との関連性と混入源は確認が取れていない状況です。

小林製薬の損失と品質管理

小林製薬は、紅麹サプリ事件による特別損失として2024年1〜3月期の連結決算で38億円を計上しました。この事件を受けて、製造プロセスや品質管理の見直しが必要とされています。また、紅麹は元々腎機能障害を起こすリスクがあることが海外では常識との事、今後の食品業界においても慎重な対応が求められています。

結論

紅麹サプリ事件は、製品の安全性と品質管理の重要性を改めて考えさせる出来事であり、今後の食品業界においても慎重な対応が求められています。消費者に対しても紅麹製品の摂取には注意が必要であり、医療機関への相談を推奨しています。

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