一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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CFEコラム

葬儀会社代表の逮捕から学ぶ、経営者自身への不正対策教育の重要性

事件のあらまし

埼玉県内の葬祭会社代表取締役の42歳の男が、自身が担当した葬儀の依頼主である故人の銀行口座から、現金100万円を不正に引き出し、窃盗の疑いで逮捕されました。男は、故人の埋葬手続きを担当しており、その際に故人の財産整理を行っていた弁護士事務所が、故人の死後に口座から大規模な引き出しがあったことを発見し、警察に相談したことで事件が発覚しました。警察の調べに対し、男は容疑を認めているとのことです。

経営者自身も不正対策教育を!組織のトップが率先して取り組むべき理由

今回の事件は、葬儀業界における信頼を大きく損なうものであり、遺族の悲しみをさらに深める結果となりました。この事件から、私たちは以下の点を改めて認識する必要があります。経営者の責任の重大性: 組織のトップである経営者は、企業の不正行為に対する責任を最も大きく負います。経営者のモラルや判断が、組織全体の行動に大きな影響を与えるからです。

不正は組織全体の問題: 不正行為は、単に個人の問題ではなく、組織全体のシステムや風土に問題があることを示唆しています。経営者の意識改革の必要性: 経営者が不正に対する意識を高め、適切な対策を講じることが、組織全体の不正防止に不可欠です。

経営者が取り組むべき不正対策

経営者は、以下の点に注力し、不正対策を強化していく必要があります。

率先して倫理意識を高める: 経営者自身が率先して高い倫理意識を持ち、その重要性を組織全体に浸透させます。

不正防止のための組織体制を構築: 不正防止のための組織体制を構築し、内部監査や通報窓口などを設置します。

従業員への意識改革: 従業員に対する定期的な倫理教育を実施し、不正行為に対する抵抗力を高めます。

外部専門家との連携: 必要に応じて、弁護士や会計士などの外部専門家と連携し、より高度な不正対策を講じます。

法令遵守の徹底: 関連する法令を遵守し、法的なリスクを最小限に抑えます。

自社のビジネスモデルの点検: 自社のビジネスモデルが不正行為を誘発する可能性がないか、定期的に見直します。

まとめ

今回の事件は、葬儀業界全体にとって大きな教訓となりました。葬儀会社は、故人に対する敬意を忘れずに、遺族の信頼に応えるべく、不正対策を徹底していく必要があります。経営者は、組織のトップとして、率先して不正対策に取り組み、組織全体の意識改革を推進していくことが求められます。

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