一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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CFEコラム

ECI方式と品質管理の革新:自衛隊施設強靱化の新たな一歩

防衛省が自衛隊施設の強靱化事業において、ECI(Engineering, Construction, Installation)方式を導入し、それに伴う品質証明業務と工事監理業務のガイドラインを策定したことが発表されました。この取り組みは、施設の耐久性と安全性を確保するための重要なステップとなります。

ECI方式は、工事の各段階で設計と施工を連携させ、その過程で品質管理を徹底する手法です。これにより、設計段階から施工までの間に生じる課題や問題点を早期に発見し、修正することが可能となります。具体的には、品質管理証明者が定める品質管理等一覧表や工事監理者の役割が重要です。彼らは、工事の進行状況を確認し、品質基準を満たしているかどうかを厳格に監督します。

さらに、ガイドラインは不正や不誠実な行為に対する明確な対策を盛り込んでいます。工事の品質証明において故意の契約不適合が見つかった場合、受注者には補修やペナルティが科せられることが明記されています。これにより、公共施設の建設における透明性と信頼性が向上し、国家の安全保障に貢献することが期待されます。

工事の確認ポイント表も、契約の進行と現場での確認作業を効率的に管理するための道具として機能します。契約行為や確認事項の実施時期、関係者の役割分担が明確化され、ミスや見落としを最小限に抑えることが可能です。

このように、ECI方式と品質管理の強化は、単なる施設の改善にとどまらず、国家安全保障と公共施設建設のあり方に革新をもたらす重要な試みです。今後も技術の進化と公共政策の整備が進み、安全で持続可能な社会基盤の構築に向けた取り組みがさらに進展していくことが期待されます。

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