一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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CFEコラム

CFEが果たすべき役割 ―横領事件の防止と調査に向けて―

横領事件は、政治家や公務員、民間企業など様々な分野で発生しており、社会に深刻な影響を与えています。このような事件が発生する原因には、不正な取引や人間関係による利益誘導などが挙げられます。こうした事件を防止するためには、企業はCFE(Certified Fraud Examiner)の活用が必須となります。

CFEは、内部監査やコンプライアンス担当者など、不正監査に関する職種に従事する人々の資質を証明する認定試験であり、その役割は不正行為の発見や予防、調査から報告まで多岐に渡ります。具体的には、不正行為を行う可能性のある箇所を把握し、不正防止策の策定や改善を行い、不正発見時には詳細な調査報告書を作成することが求められます。

横領事件の調査においてCFEが果たすべき役割は、以下の通りです。

1. 企業内部環境の監査

CFEは、企業内部の監査を通じて、不正行為を行う可能性のある箇所を特定し、不正対策を実施します。具体的には、業務プロセスの改善、内部統制の整備、コンプライアンス規程の策定・運用などが挙げられます。

2. 入念な証拠収集

CFEは、横領事件発生時には、入念な証拠収集を行います。証拠収集においては、不正行為の事実確認や不正の手口、また、不正行為に関与した人員や関係企業の捜索などが考慮されます。

3. 調査報告書作成

CFEは、調査結果をまとめ、調査報告書を作成します。調査報告書には、不正行為の発見経緯や証拠の詳細、関与者の特定、及び改善策などが含まれます。また、調査報告書は、重要な証拠となり、横領事件の裁判において、有意義な証拠として活用されます。

横領事件を未然に防ぐためには、CFEの活用が欠かせません。CFEの役割によって、不正行為による被害を防止するために、企業の内部監査機能やコンプライアンス体制を明確にした上で、適切な対策を整備することが必要です。

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