一般社団法人 日本公認不正検査士協会

ACFE JAPAN

CFEコラム

IR体制義務化の時代に、公認不正検査士(CFE)が果たす役割とは

2025年7月から、東京証券取引所ではすべての上場企業に対し、IR(投資家向け広報)体制の整備と情報開示が求められるようになります。これは、企業が投資家との信頼関係をいかに構築し、持続的な成長を目指すかが問われる、大きな転換点となります。このような中で、私たち公認不正検査士(CFE)の専門性が、企業のIR活動に対して大きな価値をもたらすと考えております。

透明性と誠実さが、IR活動の要に

IR活動とは、企業の経営方針や財務状況、サステナビリティへの取り組みなどを、投資家に正しく伝える取り組みです。しかしながら、過去には不適切な開示や粉飾、不十分な説明によって企業価値が大きく損なわれた事例も少なくありません。

公認不正検査士は、不正リスクの兆候や開示の妥当性を見極める専門家として、IR体制の信頼性向上に貢献できます。

公認不正検査士が関与するメリット

不正リスクの抑止と検知

IR資料の作成や財務情報の開示における不正の兆しを、事前に発見するサポートが可能です。

投資家からの信頼性向上

CFEの関与は、情報開示の透明性を高め、「この企業は誠実である」という印象を投資家に与える効果があります。

ESG・非財務情報のレビュー

サステナビリティ情報や人的資本といった非財務情報にも、CFEの知見が活かされます。

IRは「伝える力」だけでなく「正す力」も重要に

これからのIRは、単に情報を届けるだけでなく、開示内容の正確性や健全性を担保する力が求められます。企業のIR体制にCFEが関与することは、企業がガバナンスを重視し、誠実な情報発信を行っている証として、長期的な信頼構築に貢献します。

一般社団法人日本公認不正検査士協会からの提言

私たちACFE JAPANは、IR体制の整備を進める企業の皆さまに対し、以下の点を推奨しています。

・IR部門と監査・コンプライアンス部門との連携体制の構築

・公認不正検査士の知見を活かした情報開示のレビューやリスクチェック

・情報開示における「誠実さ」を企業文化として根付かせること

IR体制の義務化は、企業にとって新たな負担ではなく、信頼と価値を創るチャンスです。私たち公認不正検査士協会は、CFEの専門性を通じて、日本企業の健全な成長と透明な資本市場の実現に貢献してまいります。

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