一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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CFEコラム

「不正から学ぶ:再発防止のための一歩」

最近、相模原市立小学校の校長が交通費の不正受給で懲戒処分を受けたという報道がありました。このような出来事は、我々に再び企業や組織の不正行為への警鐘を鳴らすものとなります。今回は、この事件を通じて得られる教訓と、自社で同様の事態が発生しないようにするための対策について考えてみましょう。

まず、この事件では匿名の通報によって不正が発覚しました。組織内での告発文化や通報ルートの整備は、不正を未然に防ぐ重要な手段となります。自社でも従業員が安心して不正を報告できる仕組みを整え、透明性を確保することが肝要です。

次に、管理・監督の徹底が問われます。校長が信用を著しく損ねたとのコメントからも分かるように、組織の指導者は一層の慎重さが求められます。従業員の行動を適切に管理し、ルールや規定の順守を徹底的に促進することが、再発を防ぐ基本です。

さらに、この事件では校長が既に不正による受給分を全額返納しているとのことです。自社でも同様の事態が発覚した場合、速やかかつ透明な返納処置が欠かせません。組織の信頼を守るためにも、不正が発覚したら即座に対処することが肝心です。

最後に、再発防止策の具体的な取り組みが求められます。教育長がコメントで述べたように、「指導徹底を図るとともに、再発防止に取り組んでまいります」とありますが、これは組織が学び、改善し、進化していく姿勢が必要です。不正が発生した場合、その原因を根本的に解明し、再発を防ぐための対策を着実に講じることが重要です。

この事件は我々に、組織内での透明性や管理の徹底、迅速な対応がいかに重要かを改めて認識させます。自社においてもこれを機に、再発防止のための体制強化を図り、社員全体が倫理的な行動を心掛ける文化を醸成することが肝要です。不正から学び、進化し続けることで、より信頼性の高い組織を築くことができるでしょう。

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