一般社団法人 日本公認不正検査士協会

ACFE JAPAN

CFEコラム

「不正の連鎖、企業の倫理と信頼の危機」

IHIの不正報道が再び世間の注目を集めています。今回の不正は船舶用と陸上用エンジンに関わるものであり、虚偽のデータ報告が発覚しました。この問題は、2007年の有価証券報告書の虚偽記載や2019年の航空機エンジン整備の検査不正と連動して、企業の倫理と信頼の危機を浮き彫りにします。

組織内での不正行為がいかにして連鎖していくのか、IHIの事例はその典型です。これまでにも何度か不正が発覚しており、企業文化や監査体制に疑問符を投げかける出来事でした。不正は単なる倫理違反だけでなく、顧客や取引先、そして社会に対する信頼を失墜させるものです。

このような事案は企業だけでなく、関係する多くの人々に影響を及ぼします。取引先は信頼を失い、市場や投資家は企業の信頼性を疑います。結果として、業績や企業価値にも影響が及びかねません。

企業はこれを機に、真摯な反省と改善を図るべきです。透明性と責任の重要性を理解し、倫理的な経営を実践することが不可欠です。また、監査体制の強化や徹底的な教育プログラムの実施が求められます。そして、これらの努力が顧客や社会に対する信頼を取り戻す第一歩となるでしょう。

CONTACT

入会申し込み 相談・お問い合わせ