一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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CFEコラム

「新年度のスタート:不正対策を通じて組織の信頼性を高める」

新しい年度が始まり、企業は再び未来に向けて歩みを進める準備を整えています。しかし、その歩みを妨げる障害の1つとして不正行為が挙げられます。不正行為は、企業の信頼性を傷つけ、組織文化を蝕む深刻な問題です。したがって、新たな年度のスタートを機に、不正対策について考えることが重要となります。

まず、企業は不正行為の根源を探る必要があります。組織文化や経営陣の倫理観の欠如、適切な内部統制の不備など、様々な要因が不正の温床となり得ます。そのため、不正対策は単なる規則やシステムの導入に留まらず、組織全体の価値観や意識の変革が必要です。

次に、企業は不正対策を徹底するための具体的な施策を検討する必要があります。従業員教育の強化やホットラインの設置、適切な監査体制の構築など、さまざまな手段がありますが、重要なのはこれらを単なる形式的なものにとどめず、実効性のある取り組みにすることです。

さらに、不正対策は単なる法令遵守だけでなく、企業の社会的責任として捉えるべきです。顧客や社会からの信頼を失うことは企業にとって致命的な打撃となります。そのため、不正行為を防ぐだけでなく、透明性と誠実さを示すことが求められます。

最後に、不正対策は一過性の取り組みではなく、継続的かつ総合的なアプローチが必要です。定期的なリスク評価や監査、従業員への啓発活動など、持続的な取り組みが不可欠です。

新しい年度のスタートをきっかけに、企業は不正対策に真剣に取り組むことで、組織の健全性と持続可能な成長を実現することができます。不正に対するゼロトレランスの姿勢を貫き、透明性と誠実さを大切にすることで、企業は信頼される存在として、さらなる成長を遂げることができると思います。

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