一般社団法人 日本公認不正検査士協会

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内部告発と組織の健全性

近年、内部告発が注目を集めています。組織内での不正や違法行為を目撃した者が、それを上司や関係機関に通報する行為は、組織の健全性を維持する上で重要な役割を果たします。その典型例として、高知県にある安芸漁業協同組合の副組合長の不正行為が挙げられます。

この事件では、副組合長が漁協の収益となる市の委託金の一部を着服していたことが発覚しました。さらに、職員もその不正を知りながらも黙認していたという事実が浮かび上がりました。しかし、安芸漁協に入って2年目の若い職員の内部告発により、この不正が明るみに出ました。

この職員の行動は、組織の健全性を維持するための重要な一歩でした。彼の勇気ある行動によって、組織の悪しき慣習が断ち切られる可能性が生まれました。組織内での不正行為に対する沈黙や黙認は、その慣習を定着させ、組織全体の信頼を失墜させることにつながります。一方で、内部告発は、不正を明るみに出し、その組織の信頼を回復するための第一歩となり得ます。

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